前頁で説明したとおり、汗の臭い(エクリン腺からの汗)とワキガ(アポクリン腺からの汗)は、違う性質を持ちます。

ですが、脇の臭いで悩んでいる女性の中には、その匂いが「汗の臭い」なのか「ワキガ」なのか区別がついていない人も多いようです。

あなた自身が悩んでいるのは、「脇の汗の臭い」なのでしょうか。それとも「ワキガ」なのでしょうか。
違いをわかりやすくまとめましたので、よく読んでご自身に当てはめてくださいね。

「汗かき」さんは、こんな人

「汗をよくかく」人は、エクリン汗腺が発達している人のことです。

エクリン汗腺は、体温調節のために体中の表面に分布しているもので、暑い時・緊張しているときなどに汗を出して体の体温調節をします。

手のひら・足の裏にも多く分布していますので、緊張したときなどに手にびっしりと汗をかいてしまうのは、手のひらの「エクリン腺」から汗が出るからです。 汗かきとワキガの違い

体温調節機能を持つエクリン汗腺の数は3歳までに決まると言われていて、暑い所で育てばエクリン汗腺は多く、寒い所で育てばエクリン汗腺は少なくなります。

最近「熱中症」になる人が増えていますが、幼い時からエアコンの効いた環境で育っているためにエクリン汗腺が発達しておらず体温調節機能が衰えている、ということも理由の一つに指摘されています。

エクリン腺からでる体温調節のための汗は、99%が水分でほとんど臭いはありません。

ただし、残り1%の中にアンモニアや尿素など臭いの素になる成分が入っているため、汗を大量にかいた後で水分が蒸発し、これらの物質が蓄積すると臭いを発することになります。

汗かきさんの場合、体がにおう、というよりも、汗を大量に吸収した衣類がくさい、ということが多いのではないでしょうか。

よって汗かきさんの「汗の臭い対策」は、雑菌の繁殖を抑えた「衣類消臭」対策、ということになります。

「ワキガ」の人って、こんな人

一方で、「ワキガ」の人は、アポクリン汗腺がたくさんある人のことです。

アポクリン汗腺とは、動物として個体を識別するために「体臭」を作り出すための汗腺であって、フェロモンの一種です。
いわば、人間が動物として持つ「フェロモン」を出すのがアポクリン汗腺だといえます。

脇など体の一部に集中して分布し、脂質・タンパク質など栄養分が豊富でどろりとした汗を出します。
栄養分が豊富で蒸発もしにくい汗のために、皮膚常在菌が繁殖しやすく、独特の臭いを発することになるのです。これが「ワキガ」です。

アポクリン腺の量は遺伝・人種・個人によって大きな差があって、生まれつきアポクリン腺を多く持っている人が「強い体臭」を持ち、ワキガ体質になるのです。

民族ごとにワキガ体質の比率が違っていて、黒人は100%・欧米人は70-90%がワキガなのに対し日本人は10-15%だと言われています。

日本人はワキガ体質の比率が少ない民族なのですが、それゆえにワキガの人が目立ってしまう社会だともいえます。
たくさん汗をかくことによって「汗が臭う」人と、生まれつき強い体臭を持つ体質の「ワキガ体質」の人は、臭いの素が違うのです。

ご自身が、「汗かきさん」なのか「ワキガ体質」なのかどうかのチェック法を以下に記しました。参考にしてください。

私はワキガ体質なの?チェック法

汗の臭いでお悩みの女性の中には、汗の臭いをワキガだと思い込んでいる人も多いです。 ワキガは生まれつき持った体質です。
ご自身がワキガ体質なのか、単なる汗かきさんなのか、以下の項目でチェックしてみてください。

  • 耳垢がしめっている
  • 下着の脇の部分が黄ばむ
  • 脇の毛が太くて多い

以上3つのうち2つ以上該当した人は「ワキガ体質」の可能性が高いです。

①耳垢が湿っている

⇒アポクリン腺が活発な人は外耳道のアポクリン腺も活発に働きアポクリン汗を出すので、耳垢が湿っている人が多いです。

②下着の脇の部分が黄ばむ

⇒アポクリン腺から出るアポクリン汗はネバネバとしていて黄色がかかっています。 きちんと洗濯していても何度も使っているうちに脇の部分が黄色くなってくる人は、アポクリン腺からのアポクリン汗が多量に出ていると考えられます。

③脇の毛が太くて多い

⇒アポクリン腺は毛根と出口を同じくするので、わき毛が多ければアポクリン腺の数も多いということになります。